開業ドクターの声 VOICES OF PRACTICING DOCTORS

建物、空間、医療機器、
そして知識と技術。
理想の歯科医療は
すべてが揃って機能する。

宇土歯科医院

静岡市駿河区新川2丁目8-6

https://www.uto-shika.com/

院長 宇土 武典 TAKENORI UTO

2011年神奈川歯科大学 卒業
神奈川歯科大学付属病院 研修
2012年杉山歯科医院(清水区)
2017年ダイヤモンド歯科(神奈川県川崎) 副院長
2021年駿河区 宇土歯科医院 開業

より高度な歯科医療の提供を目指し、国内外から視察や講演の依頼が来るという宇土歯科医院。その明確なビジョンやコンセプトが、建物にも表現されています。野球少年として育った宇土院長は、挨拶や礼儀を重んじ、地域の子どもたちを見守る地域のおじさんのような存在を目指す人でした。


待合スペースに並ぶ8つのソファのエピソード。

創造舎さんとの関係を象徴しているのが、待合スペースに並んでいるこの8 つのソファです。左右に隙間なく、きれいに収まっているでしょ。幅50cm のソファを8 つ購入することを事前に伝えたんです。「注文するからね」と念押しをして。建築では数ミリの誤差がでることは結構あることなのでそこは創造舎さんを信頼して発注したのですが、完成して実際に収めてみるとぴったり。こういうことを当たり前のようにやってくれたんです。

予防、知識と技術、医療者と建物。両輪があって前へと進む。

歯科治療には痛いっていうイメージを持っている方が多いですよね。このハードルを下げないと歯科医院に行こうと思ってもらうことができない。だからなるべく痛くない治療を目指しているのですが、壊れてしまったものを治すための治療があったら、壊れないように保つための予防も必要。この両輪を大切にして、質の高い水準の歯科医療を約束する医院でもありたいと思っています。

そのためにまず必要なのが、私自身の知識と技術です。どんなに知識を身につけたとしても、手が動かなければ歯を治療することはできません。歯科治療は鏡に反射したものを見ながらやるわけですから簡単ではないんです。でも、知識がなければその技術が本当に患者さんのためになるのかがわからない。知識があって技術が活きるし、技術があって知識が活きる。お金をかけて建物や最先端の医療機器を揃えたとしてもそれがメインにはならないんです。でも、建物や医療機器がなければ治療することができません。だからこそ、自分たちが提供したい医療と建物のコンセプトがしっかり噛み合っていくことが大切だと思います。

患者さんのメリットを考え、マイクロスコープは吊ることを選択。

私の場合はより精密に正確に治療をするために、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使って20倍から25倍に拡大をして治療をしていきます。マイクロスコープの設置方法にもいろいろあるんですが、天井から吊れば足元も広くなるしアシスタントも入りやすくなって、患者さんに提供できるメリットが大きいんです。ただし、微細な揺れが治療に影響する機器ですし重量もありますからリスクもあります。それを木造で設置する施工ができたのが、創造舎さんでした。吊った時の揺れは日本各地で問題になっているんですが、5年が経った今でもまったく問題なく治療ができています。

技術にこだわる歯科医師として、自分の直感を信じた。

開業する二年前から施工会社さんを探しはじめました。静岡で開業したかったので地元の会社がよいとは思っていたのですが、どの施工会社にお願いするのかではなく「自分がつくりあげていきたい歯科医療を表現してくれるのはどこか」という視点で考えていました。価格とかデザインとかいろいろな判断基準があると思いますが、私が伝えることを直感として理解ができてフィーリングが合うことを最も重要視しました。それまでも他の歯科医院の見学に行ったことはあったんですが、見てきたのは歯科医院側のこだわりであって、設計や施工する側のこだわりまでは見えてこなかったと思うんです。でも、創造舎さんには創造舎さんの核となるものがあって、話をしていくとそこには小さなこだわりの積み重ねや情熱がある。歯科医師というのは技術が必要な技術職でもありますから、技術にこだわる者として共感し合うものがありました。最終的には、自分の直感を信じました。

地域のことを思って生まれた三角形のファサードとやさしい空間。

設計士の方と相談しながら外観を決めていったのですが、シンメトリーな三角形にしたのは地域の皆さんに覚えてもらいたかったからです。宇土(うと)っていう苗字は珍しいから覚えてもらえないかもしれない。でも、「あの三角形の建物のとこでしょ」みたいに話題にしてもらえたら嬉しいなと思って。ロビーの天井を吹き抜けにしたのは、患者さんの不安を少しでも和らげるためです。迎え入れた場所が狭い空間だと、息苦しくてもっと不安になってしまう。手前がメンテナンスの部屋で奥に進むほど治療の重要度が高くなっていくんですが、患者さんが自分の状況を聞いてロビーに戻って来た時にほっとした気持ちになって笑顔で外に出てほしいんです。

未来を担う子どもたちのためにできること。

実は地域のおじさんのような存在になりたくて、地域の子どもたちを育てていきたいという思いが建物にも反映されています。近くに公園があるんですが、困ったらうちのトイレを使ってもらえるように子ども用のトイレを設置していますし、待っている間に宿題ができるようにキッズルームには机も置いてあります。最近では近所の人が子どもに何かを教えるということも減ってきましたが、子どもたちが挨拶やお礼を言えるように接していきたいと思っています。

設計者であり、施工主でもある創造舎とのこれからの関係。

創造舎さんを信頼して安心して任せることができたのは、設計士さんと施工する方とのコミュニケーションが取れていたからだと思います。基礎から電気工事、水道工事、建具まで、設計士の方がちゃんと把握していて、私がお願いしたことも細部にまで伝わっている実感がありましたが、これは当たり前にできることではありません。こういう小さなコミュニケーションの積み重ねが、創造舎さんの文化になっているのだと思います。医療を通じて子どもたちに夢を与えていきたいですし、私たちを見て将来歯医者になりたいという人たちが増えてくれたら嬉しいのですが、今の状況に胡坐をかくつもりはありません。創造舎さんの仕事を見ていると、建てて終わりではなく、そこに人が住んで、食事を楽しんで、地域の歴史や文化を伝えようとしていますよね。私も講演などで台湾や韓国、中国に行く機会が増えているのですが、歯科医療という立場からアジアや世界の方に静岡を知っていただくことで静岡を盛り上げていきたいと思っています。創造舎さんとは、ともに成長していくことができるよい関係であり続けたいです。