診療を続けながら新たな建物を建設することで生まれた期待感。
この場所で父が歯科医院を始めたのが昭和59(1984)年ですから、もう40年以上になります。診療を続けながら駐車場として使っていた隣のスペースに新しい建物を建てたので、建設中の様子を見た患者さんの声が直接耳に入ってくるんです。完成するのが楽しみだとか、早く新しい建物に入ってみたいとか、おかげさまで評判もよくて、完成する前から私たちもワクワクしていました。
40年以上続けてきて患者さんの年齢層もさらに広がっていますから、入口をスロープにして車いすでも入れるトイレも設置しました。手前の方には、ご年配の方が座りやすいタイプの診療台も用意されています。

ラップサイディングを採用し、印象に残るファサード。
建物には、自分が好きな青い色を取り入れていただけるようにお願いしました。これはもう、コンセプトとかではなくて純粋に私が好きな色です。建築に関しては詳しくないですから、とにかく漠然としたイメージを創造舎さんに投げかけていきました。
外観で言うと、正面の雰囲気が好きですね。大きなガラス窓があって、外壁部分には「ラップサイディング」という工法が使われているんですが、これを勧めてくれたのも創造舎さんです。とても熱心に勧めていただいたのでお願いすることになったのですが、今ではこの表情が印象的でとても気に入っています。


好みも必要な機能も、投げかけるとそれが具現化されていく。
このクリニックの建設を決める前のことですが、後輩にあたる先生が静岡市内で開業したクリニックを見学に行ったことがありました。建物全体の雰囲気を一言で表現すると、とてもかっこよかった。その建物をつくっていたのが創造舎さんだったのですが、担当の方と話す機会もあってずっと印象に残っていました。最終的には他社の見積とも比較をさせていただき、創造舎さんにお願いすることにしました。
設計にとりかかる段階では、とにかく漠然としたイメージを創造舎さんに投げかけていきました。こういうルーバーを入れてみたいとか、天井を高くしたいとか。それぞれの要望を受け止めて、どうしたら部屋にマッチしていくのかを考えて投げ返してくれるので具現化されていくのがとても楽しかったですね。青の使い方も私から具体的に伝えたわけではなく、ここだけポイントで青にしましょうかといった感じでうまく取り入れてくれました。


安心感はあるけれど、閉塞感のない診療室。
形にしていただいたひとつが、診療室のつくりです。個室にしているクリニックも多いと思いますが、私はクロージングされた空間があまり好きではなく、スタッフがどこで何をしているのかがわかるようにもしたかったんです。個室のある環境で働いた経験もあるのですが、孤独になるような感覚になるんです。だけど、患者さんのプライバシーは守りたい。できるだけ閉塞感のない、セミセパレートされた空間をつくっていただきました。
インプラントなどの処置をする際には滅菌環境が必要になるので実際には奥に個室もあるのですが、一番手前のユニットから連続性が見てとれるようになっているので、個室感はあまり感じないと思います。安心感はあるけれど閉塞感はない。そんなつくりを目指しました。



隣接する道路との絶妙な距離感を生む、小さな庭の存在。
この建物は広い道路に面しているのですが、道路と診療室の距離感もこだわったポイントのひとつです。道路沿いには木でつくられた柵があって、診療室の間に小さな庭があるんです。だから道路側からは診察室の様子は見えないし、診療室から見れば下窓から緑と庭石が見えるようになっている。交通量の多い通りですし歩道を歩く人もいますから、このスペースがあるだけでお互いによい距離を保つことができるんです。私だけでなく、このクリニックを守り続けてきた私の父も閉塞感のない外光のある空間を希望していたのですが、患者さんのプライバシーを守りながらそれぞれの想いを実現することができました。


生まれ育った地元のために、地域貢献という思いを込めて。
高校1年生の頃から始めたサーフィン。今でも、サーフィンをすることで自分をリセットできるんです。だから行ける日は、早朝に海へ行ってサーフィンをしてから診療に出ています。生まれ育った、海が近い場所。この場所で、地域に貢献したいという思いがあります。
大学病院では入歯や被せものに関する領域を専攻してきたのですが、地元での開業を意識した時に必要なものは何だろうと考え、横浜のクリニックで口腔外科に関する臨床経験を積んできました。一般的な歯科診療に加えて、インプラントや抜歯などのノウハウも提供できると思います。これまで40年以上にわたって父が続けてきた場所を受け継ぎ、この建物とともに、今まで以上に愛される歯科クリニックを目指していきます。



